建築家の遠野未来氏と設計した「OYAKI FARM BY IROHADO」が無事に竣工しました。田中正史研究室では、土壁部分の解析協力をしています。
【土壁でダブルスキン構造】
現地の土を使いながら、現代のテクノロジーを活用した土壁の試みです。建物の出入り口となる風除室はエネルギー負荷が大きくなるため、土壁のダブルスキン構造とし、2枚の土壁の間に木造フレームと空気層を設け空調負荷の低減を実現しています。土壁の厚さは約170mmと薄いが重量があるため、鉛直荷重には自立できる耐力を、地震時の水平力には木造フレームで抵抗しています。土壁の安全性の検証では、水平力の分担率を木造フレーム80%、土壁20%の場合にも剥落等の破壊挙動が生じないことを確認しています。